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ベトナムは13年にわたる国家による金取引独占を廃止する政令を施行しました。アジア第3位の金輸入国である同国のこの決定は、グローバルな金市場に大きな影響を与える可能性があります。短期的な価格の乱高下はみられるものの、中長期的には市場の正常化と透明性の向上をもたらすと期待されています。この動きは、ベトナム経済の開放と、国際的な取引慣行への調和を示すものです。
新たな政令は、商業銀行や適格な事業体に金地金の製造、取引、管理を許可します。これにより、これまで国家銀行の一元管理下で生じていた大きな価格プレミアムや、闇市場での取引・密輸問題の解決を目指します。市場に競争原理を導入することで、ブランド間の価格差を縮小し、消費者の選択肢を広げます。このベトナム金市場自由化は、市場の秩序化を促進する重要な一歩です。
BMOキャピタル・マーケッツは、この変更を「世界の金市場にとって前向きな発展」と評価しました。同社は、これにより国内需要と金輸入がより密接に連動するようになると指摘しています。さらに、政令は取引の透明性を強化します。2,000万ドン(約1,200ドル)以上の取引には銀行口座経由を義務付け、ライセンス事業体は電子請求書を発行し、中央銀行と取引データを共有します。このベトナム金市場自由化は、国際的な投資家にとっての信頼性を高めることにも繋がります。
金属フォーカス 編集部コメント
ベトナムの金市場自由化は、単なる国内市場の改革に留まりません。国内価格と国際価格の乖離を是正し、金取引の透明性を高めることで、ベトナム市場はより多くのグローバルな投資機会を提供します。また、密輸の減少は、供給経路を正規化し、アジア全体の金サプライチェーンにポジティブな波及効果をもたらすでしょう。この動きは、今後の東南アジアにおける鉱物・貴金属市場の動向を占う上で、重要なベンチマークとなります。