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South32 |
Samancor ManganeseがKhwelamet社へ譲渡、南ア資源投資の地場化が加速
豪州拠点のグローバル資源大手South32(サウス32)は2025年6月4日、同社傘下でマンガン事業を担うSamancor Manganese(サマンコール・マンガン)が、南アフリカにあるMetalloysマンガン合金製錬所をKhwelamet社へ売却完了したと発表しました。取引完了日は2025年6月3日。
SamancorはSouth32が60%、Anglo American(アングロ・アメリカン)が40%を出資する合弁企業です。今回の譲渡先であるKhwelamet社は、南ア資源投資企業Menar Capitalと、インフラ・金融・鉱山サービスを手がけるNtiso社のJVを通じた間接出資企業です。
Menarは南アで石炭・アンスラサイト・マンガンなど複数鉱種に出資しており、資源開発における地場資本の主導的役割が年々拡大する中、Metalloysの譲渡は同地域でのマンガン価値連鎖の地産地消を後押しするとみられます。
なお、Metalloys製錬所は過去数年にわたり操業の一部停止や再編が進められてきましたが、再生可能エネルギー活用や環境対策が必要とされる中で、地域パートナーによる運営体制へと移行することで、政策的な雇用創出・経済波及効果にも期待が集まります。
《金属フォーカス編集部コメント》
グローバル企業による資産整理の一環として進められた今回の売却は、資源産出国側による鉱山・製錬資産の現地保有志向を象徴する事例です。マンガン市場の供給構造は、今後より地場主体型にシフトする可能性があり、安定供給体制や環境対応に向けた戦略の再構築が求められます。
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