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Velux Group |
2030年にCO₂排出量3kg以下を目標、70%以上再生材含有の多年度契約締結
アルミリサイクル・圧延大手のNovelis(ノベリス)は、屋根窓メーカーVelux Group(ヴェルックス・グループ)に対し、70%以上の再生材を含む低炭素アルミニウムの長期供給契約を締結した。これは2022年に結ばれた基本合意書(LOI)を正式な商業契約に格上げするものであり、2030年までにCO₂排出量を1kgあたり3kg以下に抑えるという共同目標の実現を確約する内容となっている。
Novelisはこれまで40年以上にわたりVeluxのアルミ供給を担ってきたが、2022年以降はカーボンフットプリントの削減に向けた取り組みを強化しており、すでに供給量の50%以上が再生材使用の高いアルミに置き換えられている。今後はさらなる比率向上を目指す。
Scope3削減の鍵は「高再生材比率の低炭素アルミ」
Veluxの製品に使用されるアルミニウムは主に屋外保護用部材として機能しており、同社のScope3排出量(バリューチェーン排出)の主因となっている。Veluxは全体の98%以上がScope3排出であると公表しており、同社の脱炭素化戦略では素材サプライヤーとの協業が不可欠とされる。
Velux製品・イノベーション担当シニアVPのクラウス・ローレンツェン氏は、「本契約により、カーボンフットプリントの低い重要素材の安定供給が数年にわたり確保される」と強調し、「この高再生アルミはVelux製品の脱炭素化にとって不可欠」と語った。
一方、Novelisヨーロッパ担当VPのミヒャエル・ハーン氏は、「Veluxとの協業は循環型経済を支える革新的合金の開発における転換点」と述べ、「3x30 Visionの実現=世界で最も低排出な圧延アルミ提供企業となることを目指す」との目標を再確認した。
【金属フォーカス編集部コメント】
高再生アルミの採用は欧州住宅資材市場の持続可能性において重要な転換点となる。Veluxのような大手建材メーカーとNovelisの協業は、Scope3削減に直結する先進的モデルケースと言えるだろう。
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