ベリリウム |
既存試料の再解析で最大BeO 4.6%、戦略的価値高まるスポッテッド・ワンダー計画
オーストラリアのLithium Plus Minerals(リチウム・プラス・ミネラルズ)は、ノーザンテリトリー州スポッテッド・ワンダー計画において、高品位ベリリウム鉱化の存在を確認した。同社が保管していた過去の掘削コアの再解析を通じて、重要鉱物ベリリウムの浅部鉱化を複数地点で捉えた。
特にDelmoreペグマタイトでの再評価により、以下の高品位インターセプトが得られている。
- 7m(深度4m〜)でBeO 0.12%(試錐孔SWRC001)
- 表土から12mでBeO 0.10%(SWRC002)
- 深度43mから11mでBeO 0.11%(SWRC008)
加えて、Delmore、Saunders、Poloni各鉱徴地での岩石チップサンプリングでも、最大BeO 4.6%(Delmore)を記録している。
戦略鉱物ベリリウム、世界的な供給焦点に
ベリリウムは、軽量かつ高い熱安定性と導電性を持ち、航空宇宙、防衛、原子力、電子材料分野に不可欠な金属である。豪州、米国、EU、日本、インド、インドネシアなどが戦略的クリティカルミネラルに指定しており、国際的な供給源の多様化が求められている。
Lithium Plusのビン・グオ会長は、「Delmoreペグマタイトにおける高品位ベリリウム鉱化の発見は、同計画の多金属潜在性を実証する重要な成果だ」と強調。「本鉱区がリチウム以外の重要鉱物にも富むことが明らかになったことで、当社のノーザン・アルンタ地域の戦略的重要性が一層高まった」と述べた。
リチウム共伴型の開発ポテンシャルも視野
同社は、2025年第3四半期に現地探査を再開する予定であり、浮遊選鉱(フローテーション)による経済的採掘の可能性も検討する方針だ。
「今回の結果は、探鉱オプションの幅を大きく広げるものだ。浅部かつリチウム鉱化との強い関連性があることから、複数の開発経路が見込める」とグオ会長は述べている。
【金属フォーカス編集部コメント】
ベリリウムはグローバルな供給網が脆弱であり、特に米国では国家安全保障上の観点からも輸入依存の解消が急務となっている。豪州での新たなポテンシャル発見は、その代替供給地としての評価を押し上げる可能性が高い。ただし、ベリリウムは毒性管理や選鉱の難しさから、実際の商業化には高度な技術と環境配慮が不可欠であり、Lithium Plusが示す開発意欲と現場対応力が試される局面となる。
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