Interpipeが黒海の海洋ガス田向けに初のパイプ供給

Interpipe

トルコSASB海域で浅海域ガス生産に使用、プレミアム継手を採用

ウクライナの産業用鋼管・鉄道製品メーカーであるInterpipe(インターパイプ)は、黒海における南アクチャコジャ・サブベイスン(SASB)ガス田向けに、海洋使用を目的としたパイプを初めて供給した。同社によると、トルコの顧客が浅海域において海底配管を直接敷設するプロジェクトで使用されており、すでに設置を完了し稼働中だという。

このプロジェクト向けには、同社独自開発のUPJ-Mプレミアム継手を備えたチュービング(ポンプ・コンプレッサー管)を製造。ガスの気密性が高く、浅海域での特殊な生産条件に対応している。Interpipeの中東・アジア・アフリカ地域セールスディレクターであるアルテム・アルテモフ氏は「トルコでは黒海の海洋ガス田開発が活発に進んでおり、特に浅海域では高い気密性が求められます。弊社のプレミアム継手はその要件に応えます」と述べた。

同氏によれば、今回の供給は同社初の海洋プロジェクト対応だったが、設置は成功し、製品は正常に稼働中。これにより、今後の海洋ガス開発案件への本格参入への道が開かれたという。

なお、Interpipeは最近、イタリアのトスカーナ州ピサ県における塩産業用途として、127mm径のケーシングパイプを供給開始。これらはAPI 5CT国際規格に準拠し、高い耐腐食性・強度・信頼性を有する。

Interpipeは現在、世界50カ国以上に鋼管および鉄道製品を供給。2024年にはパイプを51.1万トン、鉄道製品を11.5万トン販売した。従業員数は約9,500人で、うち1,000人以上がウクライナ国防軍に所属中。2024年には過去最高となる55億UAHの税金を納付した。

金属フォーカス編集部コメント

Interpipeの今回の海洋向け初供給は、パイプ業界におけるニッチ市場への進出を象徴する一歩だ。特に浅海域における気密性ニーズに対応できる継手技術は、グローバルな海洋ガス開発需要に応える競争力となる。欧州や中東を中心に進むエネルギー多角化の流れの中で、今後の商機拡大が見込まれる。

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