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EUROFER |
中国からの完成鋼材輸入は42%増、輸入全体は前年同期比9%減
欧州鉄鋼業連盟(EUROFER)の経済委員会が発行した「経済・鋼材市場見通し2025-2026/2025年第2四半期レポート」によると、2025年1〜3月期におけるEUへの鋼材輸入総量(半製品含む)は前年同期比9%減少した。
このうち、平鋼材の輸入は4%減少した一方で、棒鋼などの長鋼材は7%増加、完成鋼材全体では1%減となった。完成鋼材輸入において主要な供給国は、トルコ、韓国、ベトナム、台湾、中国、ウクライナ、インドであり、最初の5か国でEU輸入全体の87%を占めている。
国別シェアでは、トルコが16.4%で首位、次いで韓国が13.5%、ベトナム10%、台湾8.8%、中国8.3%となった。特筆すべきは中国からの完成鋼材輸入が前年同期比42%増と大幅に増加した点で、韓国(28%増)、トルコ(20%増)、ベトナム(14%増)も二桁増を記録した。
一方、インドからの輸入は56%減、日本は39%減、台湾は3%減と、アジア各国でも明暗が分かれている。
EUROFERによると、EU域内の見かけ消費に占める輸入品の割合は27%に達しており、2024年を通じて第三国との貿易赤字が拡大した。
金属フォーカス編集部コメント
鋼材需要の停滞と域内生産過剰を背景に、EUの輸入動向は高水準の依存構造を維持したまま、国別での競争が激化している。特に中国の輸出攻勢は、価格圧力と貿易摩擦リスクを再燃させかねず、EU鉄鋼業界にとっては厳しい競争環境が続く見通しだ。
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STEEL