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鉄筋 |
2025年5月28日、Fastmarketsの報道によれば、北欧の鉄筋(リバーレン)価格が南欧における下落トレンドに追随し、軟化傾向を強めている。北欧域内での国内納入価格はトン当たり635〜670ユーロ(約713〜752ドル)と、前週の655〜680ユーロから減少した。
ドイツでは、ポーランドからの輸入材を含め635〜645ユーロで取引され、域内では比較的「需要がある」状況とされたが、他の北欧諸国では需要の低迷が指摘されている。オーストリアでは国産品が640ユーロ、イタリア品が635ユーロで納入可能とされた。
一方、価格が最も高いオランダでも670ユーロと前週から10ユーロ下落した。南欧のスペインでは、長らく安定していた価格が下落に転じ、納入価格は610ユーロから605ユーロに低下。イタリアでは依然として最も安価で、北部では540〜560ユーロ(ex-works)、南部では570〜590ユーロの水準となった。一部では555〜585ユーロの取引が報告され、さらに北部では530ユーロの成約情報も浮上している。
これらを受けて、Fastmarketsは5月28日時点のイタリア国内(ex-works)鉄筋価格評価を540〜585ユーロに引き上げ、先週の540〜580ユーロからレンジが若干拡大した。
金属フォーカス編集部コメント:
欧州市場における鉄筋価格の下落は、域内の建設需要の停滞と、過剰供給懸念が背景にある。特にイタリア産の安価な出回りは、価格競争を激化させ、各国メーカーのマージンを圧迫している。今後、EUグリーン政策の建設投資加速や、CBAM導入による域外材の調整効果が価格下支えとなる可能性もあるが、短期的には需給の回復が見込めず、下押し圧力が続く公算が大きい。
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STEEL