スタンダード・ウラニウム、カナダ・サスカチュワン州コルヴォ鉱区の2025年探鉱計画を発表

STND

高品位ウラン鉱徴候を地表で確認、2026年初頭に初回試錐へ

カナダStandard Uranium Ltd.(TSXV: STND)は、同社がサスカチュワン州でアベンティス・エナジー(CSE: AVE)と進めるコルヴォ・ウラン探鉱プロジェクトに関し、2025年の探鉱プログラムの概要を発表した。これは3年間のオプション契約に基づくプロジェクトであり、浅部高品位の基盤岩型ウラン鉱床の発見が期待されている。

発表によると、2025年7月には地質踏査・地表試料採取・マッピング調査が予定されており、過去の鉱徴候であるマンハッタン露頭(U₃O₈で1.19〜5.98%)およびSMDI No.2052(0.137% U₃O₈、2,300ppmのトリウム)などの地点を再検証する。

加えて、2025年第4四半期には高解像度の地上重力探査を実施し、新たに精査された電磁伝導体トレンドと一致する熱水変質系の兆候を重力異常として把握することを目指す。これらのデータは過去の空中TDEM(Time-Domain Electromagnetic)探査結果と統合され、2026年初頭のダイヤモンド掘削プログラムに向けたターゲットの優先順位付けに利用される。

Standard Uraniumのプレジデント兼VPエクスプロレーションであるショーン・ヒルエイカー氏は、「我々はこのプロジェクトで初めて地に足をつけることに興奮しており、複数のプログラムが2025年中に実行され、初回掘削へ向けた戦略を大きく強化する」と述べている。

2025年初頭には、Axiom Exploration Group社およびNew Resolution Geophysics社が実施した1,380kmのヘリコプターTDEM・磁気探査により、複数の伝導体および磁気的構造が明確に定義された。特に、断層系や構造トレンドを示唆する磁気異常は、過去の鉱徴候との相関が期待されている。

得られた試料はサスカトゥーンにあるサスカチュワン研究評議会地球化学ラボに送られ、NI 43-101準拠の技術報告書に反映される予定だ。

同プロジェクトはアサバスカ盆地の東縁部に位置し、氷河性堆積物の被覆が薄く浅部での掘削が可能。ラビットレイク鉱床や新発見のGemini鉱化ゾーンに類似した鉱床タイプの存在が想定されている。マンハッタン露頭では59,800ppmのU含有試料が得られており、これまで掘削調査は行われていない。

Standard Uraniumは、アサバスカ盆地内に約9万4,000haの鉱区を保有。特に東部では4万2,000ha超の有望地を抱えており、不整合型および基盤岩型の高品位ウラン鉱床発見のポテンシャルが高いとされている。

金属フォーカス編集部コメント

世界的な脱炭素需要を背景に、小規模かつ高品位なウラン鉱床の探査競争が再加速している。アサバスカ盆地周縁の新規プロジェクトは、既存のインフラや輸送網に近接することから、コスト競争力と開発期間の短縮が可能となり、投資妙味も高い。特にカナダでは、先住民協議やESG対応を重視しつつ、グリーン原子力燃料の安定供給源として注目される動きが顕著であり、Standard Uraniumのような企業の動向は今後の市場形成を占う試金石となるだろう。

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