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Huta Czestochowa |
国防省による買収計画も進行中、生産拡大と輸出再開に期待
ポーランドの鉄鋼メーカー、フタ・チェンストホヴァ(Huta Czestochowa)は、2025年1月の操業再開からの累計で粗鋼生産量が10万トンを突破したと発表した。CEOのアドリアン・シェニツキ氏は「選定した運営モデルが効果的であることを実証した」とし、今後の生産拡大に自信を示した。
同社は1年間の休止期間を経て、1月に電気炉、2月に厚板圧延機を再稼働。現在は国内外に製品供給を進めており、輸出市場への本格復帰も視野に入れている。
副社長のピオトル・グルジュニエヴィチ氏は「品質と納期を両立することで信頼を獲得し、主要市場への再参入が進んでいる」と述べた。
国防省による買収計画と資産評価の見直し
ポーランド国防省は同社の買収を計画しているが、資産評価額(2億5380万ズウォティ)に対する異議申し立てが進行中。ドナルド・トゥスク首相は4月末、「国防省による所有が長期受注を保証する」と発言し、国家的な支援体制の構築を示唆した。
技術責任者のヤロスワフ・グプティス氏は「持続可能な生産再開を初期から重視してきた。今の成果は戦略的な技術判断と現場の効率的な管理の賜物」と述べている。
ポーランド全体でも鉄鋼生産は増加基調
2025年1〜4月のポーランド国内の粗鋼生産は前年同期比3.9%増の248万トン。4月単月では63.3万トン(前年同月比+5.7%)となり、国内鉄鋼業界全体も回復傾向にある。
【金属フォーカス編集部コメント】
**フタ・チェンストホヴァの復活は、ポーランド鉄鋼業の再生を象徴する動きとなった。**国防省の支援と輸出志向の両輪により、EU域内での戦略的製造拠点としての地位強化が期待される。同時に、ウクライナ情勢など地政学的要因が同社の受注環境にどのような影響を与えるかにも注視が必要だ。
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STEEL