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Harmony Gold |
高品位の地下銅鉱山がHarmonyの成長戦略に合致
MAC株主は買収提案に前向き、2025年第4四半期に完了見込み
南アフリカの金属大手ハーモニー・ゴールド(Harmony Gold)は、豪州ニューサウスウェールズ州のCSA銅鉱山を保有するMAC Copperを16億豪ドル(約10億3,000万米ドル)で買収する契約を締結しました。
この買収により、Harmonyはオーストラリアにおける銅資産を大幅に拡充します。
MACの株主は、1株あたり12.25米ドルで買収提案を受け入れる予定です。
これは、過去30日間の出来高加重平均価格(VWAP)9.28米ドルに対し32.1%のプレミアム、最終取引価格10.15米ドルに対しても20.7%の上乗せとなります。
MACは2024年2月にASXおよびNYSEに上場し、直近5年間で最大のASX鉱業IPOとして注目されました。
CSA銅鉱山は、2023年6月にMACがグレンコアから11億米ドルで取得した高品位の地下鉱山で、2024年には約41,000トンの銅を生産しています。
豪州コバー近郊に位置するこの鉱山は、同社が保有するクイーンズランド州のEva銅プロジェクトと並び、Harmonyの豪州銅戦略の中核を担う存在となります。
HarmonyのCEOであるベイヤーズ・ネル氏は、「CSAは生産実績のある高品位な鉱山で、当社の戦略と完全に一致する。フリーキャッシュフローと利益率の向上が見込め、地下鉱山運営の専門性を活かす絶好の機会だ」と述べました。
MACのCEOミック・マクマレン氏も、「MAC株主にとっては投資リスク軽減と高値での資金回収の好機。CSAの地域社会にも好影響をもたらす」と述べ、買収を支持しています。
このスキームは資金調達やデューデリジェンスの条件はなく、ジャージー王立裁判所の承認、MAC株主の承認、豪州外国投資審査委員会(FIRB)と南アフリカ準備銀行の承認、さらにOsiskoおよびGlencoreとの契約条件の調整が必要です。
すべてが順調に進めば、買収は2025年第4四半期に完了する見通しです。
金属フォーカス編集部コメント
今回の買収は、金から銅への資源多様化を進めるHarmonyの明確な転換点です。豪州での操業実績と高品位鉱山へのアクセスは、同社の長期的な成長と、銅市場での影響力拡大を加速させるでしょう。ただし、規制当局や既存契約の調整が鍵となるため、プロジェクト完了までのリスク管理も注視が必要です。
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