EUの廃材規制とグローバルスクラップ貿易

Ferrous Scrap


EUの鉄スクラップ輸出規制が及ぼすグローバル供給網への激震

欧州委員会が提示した新廃棄物輸送規則(WSR)草案は、非OECD諸国への資源流出を厳格に制限します。このEUの鉄スクラップ輸出規制により、インドやエジプト、モロッコ、バングラデシュ、パキスタンが許可リストから除外される見通しです。この規制は2027年5月の施行を目指しており、既存の国際貿易ルートを大きく変化させます。


インドの対抗策と資源循環の再編

インドの製鉄業界は、EUの鉄スクラップ輸出規制に対して強い危機感を表明しています。インドのリサイクル協会(MRAI)は、高品質な再生原料を廃棄物と明確に区別する新HSコードの導入を欧州側に提案しています。環境配慮型の管理基準を満たすことで、二次原料としての輸入継続を勝ち取る狙いがあります。

その結果、最大輸入国であるトルコやエジプトを含む世界中の製鋼メーカーが原料確保の再構築を迫られています。2025年におけるEUの外需向けスクラップ輸出品目は1,631万トンに達しました。EUの鉄スクラップ輸出規制が全面適用されれば、欧州内部でのスクラップ余剰とアジア圏での原料不足が同時に発生するでしょう。


金属フォーカス 編集部コメント

EUの環境保護方針は名目上エコを掲げつつも、実質的には域内での二次資源抱え込み施策として機能しています。インドなどの主要輸入国が「廃棄物」と「高品質リサイクル原料」の法的位置付けを明確に分離できるかが存続の鍵となります。今後は2027年の完全施行に向けて、国際的な資源争奪戦がさらに激化することが確実視されます。


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