違法金採掘がもたらす環境破壊:ペルーアマゾンにおける金価格高騰とサプライチェーンの危機

Illegal gold mining in Peru


国際金価格の上昇に伴いペルーのアマゾン熱帯雨林では違法金採掘が深刻化しています。軍や検察当局はタンボパタ国立保護区において違法キャンプや採掘用エンジンの破壊作戦を展開しました。しかし、金相場の高騰がもたらす莫大な利益を目当てに、違法採掘者は取締りの直後から現場へ復帰しています。この違法活動は森林破壊を加速させ、深刻な水銀汚染を引き起こしています。

ペルーは南米最大の金生産国であり、鉱業は同国輸出の60%を占めます。調査機関のデータによると、2025年における同国の違法金輸出額は推計115億ドルに達し、10年前の6倍以上に膨れ上がりました。採掘された違法金の一部は隣国ボリビアやブラジルへ密輸されるほか、非正規鉱山労働者を正規化するための「Reinfo」制度を悪用して合法市場へ流入しています。地元経済もこの闇市場に依存しており、政府の取り締まりを難しくしています。

政情不安と予算不足も違法採掘対策を極めて困難にしています。ケイコ・フジモリ新大統領は治安対策を強化する方針を示していますが、違法採掘に対する具体的な撲滅プランは提示していません。検察当局は軍や治安部隊の運用資金確保すら苦慮しており、恒久的な拠点破壊と代替産業の育成策がない限り、金属サプライチェーンにおけるコンプライアンスリスクと環境破壊は解決しない見通しです。


金属フォーカス 編集部コメント

金価格の高騰に伴い、環境・社会・ガバナンス(ESG)基準を無視した違法鉱物の市場流入リスクが世界的に高まっています。特に正規ルートに混入するサプライチェーンの不透明性は、金を使用する大手製錬業者や大手ジュエリーブランド、精密電子部品メーカーにとって重大なリーガルリスクとなり得ます。トレーサビリティ(追跡可能性)の厳格化と国際的な鉱物調達規制の順守が各企業に強く求められます。

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