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| EU CBAM and ETS |
欧州の主要鉄鋼メーカーは、EUの気候政策である排出量取引制度(ETS)の維持と、炭素国境調整措置(CBAM)の強化を強く求めています。アウトクンプやSSAB、ザルツギッターなど、欧州を代表する鉄鋼大手6社は共同声明を発表しました。彼らは低排出鉄鋼生産への転換に向け、総額100億ユーロを超える投資を実行しています。投資の確実性を担保するため、予測可能な政策枠組みの維持が不可欠であると企業側は強調します。
ETSの整合性と炭素リーケージ防止策
企業グループは、市場ベースの炭素価格シグナルこそが産業の脱炭素化を促すと主張します。彼らは、線形削減係数(LRF)を少なくとも2035年まで維持し、無料割当の段階的廃止プロセスを堅持するよう求めます。また、欧州の競争力低下の要因は炭素価格ではなく、高騰する電力コストや過剰な世界供給能力にあると指摘します。したがって、これらの企業はCBAMの強化を炭素リーケージに対する防壁として位置づけています。
産業競争力維持に向けたCBAMの役割
今後、CBAMの強化が実効性を証明できるかが欧州鉄鋼産業の命運を分けます。企業は鋼材加工品への適用拡大や、回避行為の防止、永続的な輸出支援策の策定を急ぐべきだと説きます。加えて、ETSの収益をCBAM対象セクターの脱炭素化に再投資することも重要です。アルセロール・ミッタルを含む業界全体が、CBAMの強化を通じて、グローバルな公平競争環境の構築をEU当局へ働きかけています。
金属フォーカス 編集部コメント
本件は、脱炭素投資を加速させる欧州鉄鋼勢が、政策の不確実性を排除しようとする強固な意志の表れです。今後、CBAMが単なる環境対策を超え、保護貿易主義的なツールとして機能するかどうかが、グローバルな鋼材貿易の勢力図を左右するでしょう。脱炭素技術での先行優位性を守るためにも、制度の隙間を埋める迅速なルール作りが欧州にとって急務と言えます。


