ライン川の水位低下が欧州の鉄鋼原料貿易を直撃、物流コストが急騰

European Steel


中央・北西ヨーロッパにおける鉄鋼原料の物流フローが、ライン川の水位低下により深刻な打撃を受けています。ドイツの連邦水路航行局(WSV)のデータによれば、主要なボトルネックであるカウブ地点の水位は、7月上旬から急激に低下しました。この事態を受け、水路を通じた輸送能力は大幅に制限され、鉄鋼メーカーやリサイクル業者のロジスティクスが圧迫されています。

ドイツ国内の金属リサイクル業者は、現在の物流状況を「積載能力の約40%しか活用できない危機的状況」と報告しています。加えて、代替輸送手段である鉄道輸送も混乱しており、鉄鋼メーカーは原料在庫の確保に苦慮しています。この影響で水路の運賃は40%から60%上昇しており、鋼材サプライチェーン全体にコスト増の重圧をかけています。

さらに、今後の気象予報は物流状況の改善を楽観視できないことを示唆しています。ドイツ気象局(DWD)は週末にかけて30度を超える高温を予測しており、気温上昇に伴う蒸発がさらなる水位低下を招く恐れがあります。欧州の主要な物流動脈であるライン川の停滞は、単なる輸送コストの上昇を超え、周辺地域の産業活動を停滞させる要因となりつつあります。


金属フォーカス 編集部コメント

気候変動による物流動脈の脆弱性が、欧州鉄鋼産業の利益率を直接的に圧迫しています。サプライヤーには、単一輸送経路への依存から脱却し、マルチモーダルな物流網を構築するレジリエンスの強化が求められます。


コメントを投稿