宝山鋼鉄(Baosteel)が7月出荷分の板材価格を据え置き:市場の停滞を反映

Baosteel HRC


中国の宝山鋼鉄(Baosteel)は、7月出荷分における大部分の板材製品の国内販売価格を据え置くと発表しました。世界最大の鉄鋼メーカーである中国宝武鋼鉄集団(China Baowu Steel Group)傘下の同社は、熱延コイル(HRC)を含む主要製品の価格を維持します。一方、方向性電磁鋼板については例外的にトン当たり300元(約44.3ドル)の値上げを決定しました。同社は過去4カ月間、熱延コイルや厚板などの価格を引き上げてきましたが、今回は需要の減速を考慮し、慎重な価格戦略へ転換しています。


鉄鋼需要の低迷とアジア市場の季節的要因

中国国内における鋼材需要は現在停滞しており、東南アジアの地域市場も季節的な影響を受けています。この時期、東南アジア諸国では降雨と高温が重なるため、建設活動や製造業の稼働が鈍化します。その結果、鉄鋼サプライヤーは強気な値上げ戦略を維持することが困難な状況です。グローバルな鉄鋼市場では、米国が供給制約や原材料価格の上昇を背景に熱延コイル価格を維持する一方、欧州では需要の弱さが市場価格の重石となっています。


グローバル市場における価格動向の乖離

グローバル市場において、熱延コイル価格は地域ごとに異なるトレンドを見せています。米国の鉄鋼大手ニューコア(Nucor)は6月8日、スポット価格を前週比で短トン当たり10ドル引き上げ、1,115ドルとしました。同社は1月以降、着実に供給価格を切り上げています。しかし、中国市場では宝山鋼鉄(Baosteel)が価格据え置きを決定したように、需要環境が価格決定の主導権を握る構図が明確です。今後、各メーカーは地域ごとの需給バランスを精査し、供給量を柔軟に調整する必要があるでしょう。


金属フォーカス 編集部コメント

宝山鋼鉄(Baosteel)による価格据え置きは、中国の鋼材需要が依然として力強さを欠いている現状を如実に物語っています。米国の堅調な価格設定とは対照的に、アジア市場の減速は世界的な供給調整の必要性を示唆しており、メーカー各社は今夏、収益性とシェア維持の間で難しい舵取りを迫られることになります。


コメントを投稿