地政学リスクで金価格が急落、中東緊迫化による利上げ懸念で一時4,000ドル割れ寸前へ

New York International Gold Market


金価格は米国とイランの緊張再燃を受けて反落し、節目の1オンスあたり4,000ドル近辺まで下落しました。先週の一時的な反発は短命に終わり、スポット価格は最大1.8%の急落を記録しています。原油などエネルギー価格の上昇が長期的なインフレ懸念を呼び、各国中央銀行による利上げ継続の観測を強めました。金利を生まない資産である金価格にとって、この金融引き締めシナリオが強い逆風となっています。


2025年の急騰から一転、年初来の利得を全て消失

現在の金価格は、歴史的な高値を記録した半年前のピークから大幅に水準を切り下げています。特に2月下旬の紛争勃発以降、金価格は22%超も下落し、2025年に演じた60%の暴騰劇から完全に暗転しました。その結果、市場は年初来で6%のマイナス圏へ沈み、これまでの上昇益をすべて吐き出しています。しかしながら、短期的な売り一巡後は、4,000ドルの節目が強力な下値支持線として機能する見通しです。


下値では実需が支え、年後半の回復シナリオも健在

市場関係者は、価格下落局面で押し目買いを入れる実需投資家が市場に戻りつつあると分析します。地政学的なボラティリティに対する耐性も、投機資金の流出によって徐々に高まる見込みです。加えて、ゴールドマン・サックスやUBSなどの大手金融機関は、中央銀行の継続的な買い入れを根拠に強気の年末目標値を維持しています。その結果、2026年後半に向けて金価格が再び上昇軌道へ回帰するとの予測も根強く残っています。


金属フォーカス 編集部コメント

今回の金価格の急落は、インフレヘッジとしての機能よりも、利上げ長期化リスクを嫌気したマクロ資金の逃避が勝った結果と言えます。しかし、世界の中央銀行による外貨準備の多角化(金シフト)という構造的需要は依然として崩れていません。地政学リスクがエネルギー価格を通じて金利高を招く局面にありますが、4,000ドル維持を確認できれば、年後半の反発に向けた強固な土台となるでしょう。


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