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| Steel raw material |
インドは、鉄鋼生産向けの原料供給を増強するため、アルゼンチン、インドネシア、オマーンと協議を行う計画です。主にコークス用炭や鉄鉱石、フェロニッケルなどの輸入拡大が焦点となります。ロイター通信によれば、これらの交渉は2026年にインドで開催される国際鉄鋼会議「Bharat Steel 2026」に合わせて開始される見込みです。
鉄鋼原料確保の戦略的背景
インドは世界第2位の鉄鋼生産国として、ステンレス鋼向けにフェロニッケルを輸入に依存しています。一方で、インドネシアは世界最大のニッケル鉱石埋蔵量を保有しており、戦略的に重要です。さらに、インドはオマーンやブラジルから鉄鉱石を大量に輸入しており、2025年2月には鉱業・資源分野での協力拡大に向けた協定を締結しました。アルゼンチンからは、国営鉱山企業NMDC向けにリチウムやその他の重要鉱物供給も期待されています。
原料不足と輸出拡大への対応
インド政府は、鉄鋼生産拡大とクリーンエネルギー転換に伴い、コークス用炭、リチウム、コバルト、希土類元素などの安定供給確保を目指しています。また、欧州依存からアジア・中東への輸出市場多様化も進め、CBAM(炭素国境調整措置)の影響を緩和する方針です。しかしながら、中東情勢によるガス供給危機は国内の小規模・大規模鉄鋼メーカーに深刻な影響を及ぼしており、JSWグループ傘下のJSW Steel Coated Productsは一時的な操業停止の可能性を警告しています。加えて、高品質鉄鉱石の国内不足により、2025/2026年度の輸入量は7年ぶりの高水準となり、前年の約2倍の1,200~1,400万トンに達する見込みです。
金属フォーカス 編集部コメント
インドの鉄鋼業は、原料確保と輸出拡大を両輪に戦略を強化しています。アルゼンチンやインドネシアとの資源協力は、クリーンエネルギー対応製鋼と国際競争力向上の鍵となるでしょう。国内資源不足と地政学リスクを踏まえた長期的な供給戦略が不可欠です。


