リチウム需要急増:エネルギー転換で供給不足リスクが2028年に顕在化

Lithium


世界のリチウム需要は、エネルギー転換の加速に伴い2050年までに1,300万トンを超える可能性があります。ロンドン拠点のWood Mackenzieが発表した「Energy Transition Outlook for Lithium」によれば、十分な投資が行われなければ、早ければ2028年にも供給不足が発生するとのことです。電気自動車(EV)や再生可能エネルギー向け蓄電システム(ESS)の需要が主なドライバーとなり、近年のリサイクル拡大だけでは短期的な需給ギャップを補えません。


エネルギー転換がリチウム需要を押し上げ

Wood Mackenzieは、エネルギー転換の4つのシナリオを想定し、2050年のリチウム需要は5.6万トンLCE(遅延シナリオ)から13.2万トンLCE(ネットゼロシナリオ)と幅があります。EVの需要がリチウム消費の72~80%を占め、蓄電池を含む全用途でのリチウム需要は96~98%に達する見込みです。リサイクルによる供給は2040年代以降に顕著となり、2050年には230~270万トンのLCEがリサイクルから供給されると予測されます。


新規供給と投資の急務

リチウム市場は、2030~2034年にかけて最大規模の投資が必要となります。Wood Mackenzieは、遅延シナリオで1,040億ドル、ネットゼロシナリオでは2,760億ドルの投資規模を試算しています。新規鉱山開発、精製設備、地域別サプライチェーンの整備が不可欠です。業界関係者は、迅速な資本投入と国際貿易環境の複雑化への対応が、今後の市場競争力を左右すると指摘します。


金属フォーカス 編集部コメント

リチウムはエネルギー転換の中核資源であり、供給不足リスクは2030年代に構造化されます。今後の投資と政策判断が、EV・蓄電池市場の安定とグローバル競争力を左右する重要な分岐点となるでしょう。業界は早期の戦略的対応が求められます。


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