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| Pentagon critical minerals |
米国国防総省(Pentagon)は、イラン攻撃の前日に、半導体や兵器、その他製品に使用される13種の重要鉱物の国内供給拡大を鉱業企業に要請しました。重要鉱物供給の確保は、米国が依存する輸入国の多くを含む中国への依存リスクを軽減する狙いがあります。対象鉱物はヒ素、ビスマス、ガドリニウム、ゲルマニウム、黒鉛、ハフニウム、ニッケル、サマリウム、タングステン、バナジウム、イッテルビウム、イットリウム、ジルコニウムです。
米国防総省の具体的要請と資金支援
国防総省は、1,500社以上の企業や大学で構成されるDefense Industrial Base Consortium(DIBC)に対し、鉱山開発、加工、リサイクルに関する提案書の提出を3月20日までに求めました。プロジェクトには1億ドルから5億ドル以上の開発資金が付与される可能性があります。提案には、労務費や資材費など建設・運営にかかる詳細なコスト情報の提示が求められています。特定の13種鉱物の選定理由は文書では明示されていませんが、ゲルマニウム、黒鉛、イットリウムなどは中国による輸出規制の対象となっています。
重要鉱物の戦略的リスクと市場動向
イットリウムは航空宇宙産業で高温耐性コーティングに不可欠であり、供給不足はエンジン製造に直接影響します。ニッケルはステンレス鋼や電池製造に広く使用されますが、世界最大手のインドネシアが輸出を制限しており、市場のボラティリティが増しています。米国政府は、MP MaterialsやLithium Americas、Trilogy Metalsへの出資や、50カ国以上の同盟国と連携した鉱物取引ブロック構想を通じ、重要鉱物供給の安定化と中国依存の低減を進めています。
金属フォーカス 編集部コメント
米国防総省の今回の要請は、戦略的に重要な鉱物供給確保の緊急性を示しています。短期的には資金支援や国内開発が供給安定化に寄与しますが、中長期的には、中国の市場支配力や地政学リスクを回避する戦略的枠組みの整備が不可欠です。投資家や産業界は、鉱物供給の安全保障を見据えたリスク管理が重要となります。


