カナダ、低炭素鋼輸入の「捨て場・中継地」ではない ─ セクション232関税の不当性をCSPAが指摘

Canada Steel Industry


カナダは「低炭素・低価格鋼の捨て場や中継地ではない」と、カナダ鉄鋼生産者協会(CSPA)のデスマライス代表は強調しました。米国がカナダとメキシコを同一視して50%関税を課したことは、両国の鋼鉄産業構造を無視した不当な措置であると指摘しています。


カナダ鋼鉄市場と米国関係の現状

デスマライス氏によると、北米市場の健全性に対するグローバルな鋼鉄過剰供給は懸念されるものの、カナダを他国と同列に扱うのは不公平です。カナダの鋼鉄供給チェーンは米国と高度に統合されており、USMCA地域内で95%の鋼材が溶解・成形されています。加えて、中国からの鋼材輸入には厳しい規制を実施しており、外国鋼材がカナダを経由する例はほとんどありません。

カナダ政府は2025年、非自由貿易協定国からの鋼材輸入に対する関税割当を50%から20%に引き下げ、USMCA非加盟国との自由貿易協定対象品は100%から75%に調整しました。また、中国で溶解・成形された鋼材を含む製品には別途関税を課す方針を打ち出しています。


セクション232関税による影響と今後の課題

セクション232関税の導入後、カナダは米国向け鋼材輸出で約200万トン、35億カナダドルを失いました。2026年1月の米国への輸入量は前年同月比68%減少し、過去6年で最低水準となっています。一方、米国内では国内鋼鉄生産が増加し、原鋼生産は2025年に前年より3.36%上昇しました。

USMCAは2026年7月1日に初めて合同レビューを迎え、3か国でグローバルな鋼鉄過剰供給に対抗する機会となります。しかし、デスマライス氏は「再交渉は困難が予想される」と慎重な見方を示しています。


金属フォーカス 編集部コメント

カナダの鋼材産業は米国との高度に統合されたサプライチェーンを背景に、過剰関税の影響を受けつつも安定供給を維持しています。USMCA再交渉は北米市場の構造調整に直結し、投資家は政策動向を注視すべきです。公平貿易の確保は、地域鋼鉄産業の競争力維持に不可欠です。

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