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| EU secondary aluminium prices |
2026年春、EU市場におけるアルミニウムのスクラップ不足が引き続き価格を支える要因となり、二次鋳塊(インゴット)やスクラップの値段は堅調を保っています。特に、2026年春からのEUのスクラップ輸出制限に備える動きが、価格の上昇を後押ししているとのことです。
スクラップ供給不足が価格に与える影響
アルミニウムスクラップの供給不足は、現在EU市場で最も重要な要素となっています。国内のスクラップ供給が限られているため、スクラップ価格が上昇し、二次鋳塊(インゴット)の価格も安定しています。さらに、欧州圏ではスクラップ供給の制約が強調され、特にフローティング・フラグ(浮遊スクラップ)の価格が上昇しています。
イタリアのインゴット製造業者によると、現在の価格上昇は「健全な需要」ではなく、「スクラップの強い価格」に支えられていると指摘しています。こうした状況は、アロイ(合金)製造業者にとって厳しいものとなっており、利益率が生産コストをカバーするのが難しい状況です。
ユーロ高とCBAMの影響
2026年1月にはユーロが一時的に回復し、1.17ドル付近で推移していますが、ユーロ高は貿易フローに複雑さを加えています。それでも、スクラップ供給の不足が市場価格を支えているため、価格には大きな影響を及ぼしていません。また、EUの炭素国境調整措置(CBAM)が実施されることにより、アルミニウム輸入に関わる炭素排出関連のコストが増加し、EU製および再溶解アルミニウムがより好まれる傾向にあります。
その結果、スクラップ輸出が予想より減少し、特にアジア向けのスクラップの流出が遅れる可能性があります。これにより、インゴット市場は堅調に推移し、価格は1トンあたり€2,600近くになると予想されています。
中東・アジアのスクラップ価格の動向
一方、東アジアのスクラップ輸入価格は最近1トンあたり$50以上下落しており、国内コストの上昇が原因とされています。このため、EU市場ではスクラップの供給が引き続き制約される一方で、需要主導での価格上昇は限定的となる見込みです。こうした供給面の制約が、今後のEUインゴット価格を支える要因となりそうです。
金属フォーカス 編集部コメント
2026年春のEUアルミニウム市場は、スクラップ不足とCBAMの影響により、供給側の制約が価格を支える状況が続くと予測されます。これにより、EU内での再溶解アルミニウム需要が高まる一方、アジア市場への輸出は減少し、供給の不均衡が続く可能性があります。


