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| Glencore lion ferro chrome smelter |
スイス拠点の鉱業大手Glencoreは、南アフリカのライオン(Lion)フェロクロム製錬所(年間72万トン)を2026年2月に再稼働すると発表しました。本製錬所は、現地パートナーのMerafeとの合弁事業における南アフリカ唯一の稼働フェロクロム施設となります。これにより、同国のフェロクロム市場での供給安定化が期待されます。
南アフリカのフェロクロム生産動向
Merafeは、ボスホーク(Boshoek)およびワンダーコップ(Wonderkop)のフェロクロム製錬所を2026年1月1日より休止・保守運転する計画を確認しました。今年初め、欧州鉄鋼業界の需要低迷、中国産低価格フェロクロムの競争、高騰する電力コストを理由に、同社は南アフリカ内の3施設すべての操業を停止していました。
電力政策と雇用リスク
南アフリカ政府は産業向け電力コスト軽減のため、電力料金改定プログラムを提示していますが、最終決定には至っていません。Merafeによれば、Eskomの提示した電力料金案は、ボスホーク・ワンダーコップ製錬所の長期的な存続には不十分です。その結果、1,200~1,400人の従業員に解雇通知が発行され、交渉が成立しない場合は12月9日から拘束力を持ちます。労働組合Solidarityは、関連重工業を含め最大30万人の雇用が2026年初頭までリスクにさらされる可能性があると警告しています。なお、Samancor Chromeも来年の縮小・閉鎖により最大2,500人の雇用が危機に直面するとしています。
金属フォーカス 編集部コメント
Glencoreのライオン製錬所再稼働は、南アフリカのフェロクロム供給回復を示す重要な動きです。しかし、電力コストや労働問題の解決が不可欠であり、欧州鉄鋼業界の需要回復と連動した市場動向を注視する必要があります。投資家やメーカーは、政策・供給双方のリスク管理を重視すべきです。


