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| Copper Prices |
2025年、銅価格の高騰が世界市場で注目を集めています。ロンドン金属取引所(LME)では銅が一時11,200ドル/トンまで上昇し、過去最高値を更新しました。背景には、鉱山供給の減少や米中貿易協議への期待があり、投資家の注目を集めています。
供給制約と市場需給の逼迫
鉱山企業グレンコアとアングロ・アメリカンは、2025年の銅生産量を引き下げる見通しを発表しました。これにより市場の供給不足懸念が高まり、銅価格の高騰を支える要因となっています。国際銅研究グループ(ICSG)は、2026年の精錬銅市場で15万トンの供給不足を予測しており、需給のタイト化が長期的な価格上昇圧力につながる可能性があります。
貿易期待と投機的動きの影響
一方で、米中貿易協議の進展期待や米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が、短期的な買い圧力を生み出しています。INGのアナリストは、市場が2025年と2026年に銅供給のタイト化を見込んでいると指摘しています。しかし、Panmure Liberumの分析では、これらの要因はすでに価格に織り込まれており、需要の実質的な増加がなければ銅価格の高騰は一時的に落ち着く可能性があります。
投機的取引も銅相場を押し上げる一因です。WisdomTreeの戦略担当は、金市場で見られたように、過熱した投機はやがて冷却される傾向があると指摘しています。ゴールドマン・サックスは、2026年以降の銅価格を10,000~11,000ドルのレンジで予想しており、短期的な変動はあるものの、長期的な需給構造は依然として価格を支えると分析しています。
金属フォーカス 編集部コメント
供給制約と地政学リスクが銅価格の高騰を支えています。短期的な投機や貿易期待で変動はあるものの、長期的には再生可能エネルギーや電気自動車の需要拡大が価格を押し上げる可能性が高いと見ています。投資家やメーカーは、需給動向を注視する必要があります。


