![]() |
OptiPowder Ni718 |
高温環境に対応するニッケル系超合金が金属3Dプリント材料として正式認定
英国Renishaw社(本社:グロスターシャー州)は、米国テキサス州ヒューストンのContinuum Powders社が製造するOptiPowder Ni718を、自社の金属積層造形(AM)機器に対応する材料として正式に認証したと発表しました。この動きは、金属3Dプリント分野におけるニッケル系超合金の新たな展開を示しています。
OptiPowder Ni718:高温・極限環境に最適な高性能合金
Continuum社のOptiPowder Ni718は、ニッケル・クロム・モリブデン・ニオブを主成分とする超合金で、熱処理前の加工性と熱処理後の高強度が特長です。Renishawによる評価では、製造された部品の相対密度が99.75%以上、光学密度は99.9%以上を記録。さらに、**引張強度は最大1340 MPa、耐力は平均988 MPa、伸びは22.3%**と、極めて優れた機械的特性を示しました。
リサイクル素材由来でCO₂排出99.7%削減、コストも15%低減
加えて、Continuum社はOptiPowder Ni718を100%リサイクル原料から製造しており、従来の金属粉末と比べて温室効果ガスの排出量を99.7%削減。さらに、材料コストも15%削減されたと報告されています。これは持続可能性を重視する製造業や航空宇宙、防衛分野にとって大きな利点となります。
金属フォーカス 編集部コメント
Ni718のRenishaw認証は、リサイクル合金の実用性と性能の両立を示す象徴的な事例です。特に、環境規制が強化される中、持続可能性と高性能を両立した金属AM材料は、航空宇宙・エネルギー分野での普及が加速すると見込まれます。
Tags
ALLOY