![]() |
Brazil Steel Imports |
付加価値税強化と国内経済状況が鋼材輸入に与える影響
ブラジルの鋼材輸入は2025年10月以降も減少が続く見込みです。中国が2025年10月1日から付加価値税(VAT)徴収を強化し、これまで一部サプライヤーが免除されていたコストが価格に反映されます。一方で、ブラジル国内の経済状況も悪化しており、高い基準金利(15%)が需要低迷の要因です。これらの影響で、2025年8月の鋼材輸入量は前年同月比で24%減少しました。
国内生産の減少と市場の見通し
ブラジルの国内粗鋼生産も2025年に入り4.6%減少しています。鋼材ディストリビューターは「市場全体の需要が乏しく、メーカーは価格を引き下げて在庫処分に追われている」と指摘します。さらに、多くの企業が将来の見通しを下方修正しており、国内生産の回復には時間がかかると予想されます。
2026年の選挙に向けた期待と課題
2026年の選挙期には、政府による建設関連の景気刺激策が期待されており、一時的な需要回復の可能性があります。しかし、現在の高金利環境が継続する限り、鋼材市場の本格的な改善は限定的です。投資家や業界関係者は慎重に動向を見守る必要があります。
金属フォーカス 編集部コメント
ブラジル鋼材市場は中国の税制改正と国内の高金利が重なり、輸入減少と生産鈍化を招いています。2026年の選挙を契機とした建設需要回復に期待がかかる一方、金利動向が依然としてリスク要因となっています。今後の政策動向と市場需給のバランス変化に注目が必要です。
Tags
STEEL