世界最大のチリSQM、リチウム増産計画を加速:市場回復への確信か

SQM Lithium


世界最大のリチウム生産企業であるSQMは、今年のリチウム販売目標を引き上げました。同社は第2四半期にコア利益が28%減少したにもかかわらず、価格動向に楽観的な見方を示しています。SQMは、チリ国内の生産量を10%増加させる計画です。さらに、オーストラリアでの事業についても販売目標を上方修正しました。


中国の供給削減が市場価格を押し上げる

リチウム市場は、深刻な供給過剰によって価格が低迷しました。しかし、中国での生産削減が最近の価格回復を促しています。SQMのフリペ・スミス上級副社長は、第3四半期の販売量が第2四半期から10%以上増加すると予測しました。同社は中国での価格回復を受けて、第3四半期の販売価格が第2四半期より高くなると期待しています。中国の主要鉱山の操業停止も価格上昇を後押ししました。


SQMの戦略と将来展望

SQMは、供給過剰による価格下落にもかかわらず、増産戦略を継続しています。同社は今年、7億5,000万ドルの設備投資を予算化しました。チリでの炭酸リチウム生産能力を2026年までに年間24万トンに拡大します。加えて、オーストラリアの合弁事業を通じて水酸化リチウムの商業生産を開始しました。SQMは価格変動に対応しつつ、長期的な需要増加を見込んで生産能力を積極的に拡大しています。


金属フォーカス 編集部コメント

SQMの強気な増産計画は、短期的な市場のボラティリティに対する自信を示しています。この動きは、リチウム市場の需給均衡が近づいているという重要なシグナルです。中国の生産調整とSQMの増産が並行して進むことで、リチウムのサプライチェーンは新たな局面を迎えるでしょう。世界的なEVシフトを背景に、リチウムの需要は今後も堅調に推移すると見られます。


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