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日本のチタン大手、東邦チタニウムは、航空機産業向けチタン需要の回復予測を下方修正しました。この決定は、主要顧客であるボーイングの生産遅延が長期化しているためです。同社は、航空宇宙分野におけるチタンスポンジの需要回復が当初の想定よりも遅れると見ています。
東邦チタニウムは、今年後半に航空機向けチタン需要の増加を見込んでいました。しかし、ボーイングのサプライチェーン調整が想定以上に長引いています。この結果、同社が5月に発表した回復予測は実現しない可能性が高まっています。一方で、同社の海外航空宇宙産業向けチタンスポンジ出荷量は安定を保ちました。
2025年4~6月期の東邦チタニウムのチタン事業売上高は153億円でした。これは前年同期比4.1%減となります。中国生産者による一般産業分野での供給過剰が、売上減少の主な要因です。中国企業は国内需要の低迷を受け、チタンスポンジの輸出を大幅に増やしています。また、同社の純利益は円高の影響もあり、前年比40%減の8.4億円となりました。
金属フォーカス 編集部コメント
ボーイングの遅延は単一メーカーの問題に留まりません。サプライチェーン全体に広範な影響を及ぼし、チタン市場の需給バランスを揺るがします。この動向は、特に航空機向けに高品質なチタンスポンジを供給する日本メーカーの収益見通しに直接的な影響を与えるでしょう。今後は、ボーイングの生産体制の回復と、それに伴うチタン需要の動向を注視する必要があります。
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