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2025年7月、米国自動車販売が3カ月ぶりの高水準に回復しました。これは、ライトビークル(トラックと乗用車)の販売台数が季節調整済み年率換算で1,640万台に達したことによるものです。6月の1,530万台から大幅に増加し、前年同月(1,580万台)も上回りました。この回復は、新政権による関税政策への対応と消費者心理の動向が複雑に絡み合った結果と言えます。
米国では、自動車輸入関税が4月に、自動車部品関税が5月にそれぞれ25%で発動されました。消費者は、関税引き上げ前に駆け込みで新車を購入する動きを見せました。その結果、4月には販売が一時的に急増しました。しかし、その後は需要が減速しました。7月の販売回復は、経済への信頼感が戻りつつあることを示唆しています。
一方で、今後の米国自動車販売には不透明な要素も存在します。7月の雇用統計では、過去3カ月で最も低い雇用増加数が報告されました。この結果は、消費者の購買意欲を再び低下させる可能性があります。また、自動車の国内生産は6月に年率1,057万台へと減少しました。販売と生産のタイムラグも考慮に入れる必要があります。米国自動車販売市場は、関税や雇用統計といったマクロ経済指標に敏感に反応する状況が続いています。
金属フォーカス 編集部コメント
米国自動車販売の変動は、鉄鋼やアルミニウムといった自動車向け金属需要に直接的な影響を与えます。関税政策による消費者の駆け込み需要とその後の反動減、そして雇用統計による消費者心理の動向は、市場の需給バランスを予測する上で極めて重要です。特に、ライトトラック販売の好調は、高強度鋼板やアルミニウムの需要を押し上げる要因となります。今後も、自動車市場の動向と金属産業への波及効果を注視していく必要があります。
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