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China’s Zijin Mining |
検索ディスクリプション: 紫金鉱業がバリックのコートジボワール金鉱山買収をリード。本記事は、この動きが世界の金・重要鉱物市場に与える影響と、大手鉱業会社のポートフォリオ戦略転換を分析します。
中国の紫金鉱業が、バリック・ゴールドのコートジボワールにあるトンゴン金鉱山の買収競争をリードしています。この買収額は最大5億ドルに達する見込みです。世界第3位の金生産会社であるバリックは、高利益率かつ長寿命の資産に焦点を移しています。特に、アフリカや中東での銅事業や戦略的事業への注力を強めています。
大手鉱業のポートフォリオ再編とアフリカ市場の魅力
バリックは、新たな鉱業法を巡るマリ政府との紛争で輸出停止や金押収に直面しました。その結果、隣国マリの主力鉱山コンプレックスでの活動を停止しています。一方、トンゴン鉱山は2024年に14.8万オンスの金を生産し、現在の価格で5億400万ドルの価値を持ちます。しかし、埋蔵量枯渇のため2027年までに維持管理段階に移行すると予想されています。バリックはポートフォリオの再編を進め、アラスカのドンリン金プロジェクトの権益売却を完了しました。さらに、カナダのヘムロ鉱山売却にも合意し、国内金生産から撤退する動きを見せています。
紫金鉱業は中国最大級の金・銅生産会社であり、南米、中央アジア、アフリカで急速な事業拡大を進めています。中国の国有企業は2010年以降、アフリカの鉱業プロジェクトに500億ドル以上を投資してきました。特に、ボーキサイト、銅、コバルト、そして金に重点を置いています。業界幹部は、紫金鉱業の潤沢な資金力がトンゴン鉱山の入札をリードする要因だと指摘します。トンゴン鉱山の資産価値は約3億ドルと評価されますが、紫金鉱業は確保のためさらに高額を提示する可能性があります。
金属フォーカス 編集部コメント
今回の紫金鉱業によるトンゴン金鉱山買収競争は、グローバル鉱業大手各社が収益性と戦略的資源確保を重視し、ポートフォリオを大胆に再編している現状を鮮明に映し出しています。特にアフリカの金および重要鉱物資産は、地政学的リスクを内包しつつも、成長戦略の要としてその重要性を増していると分析します。