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建設用鋼材 |
高温・多雨期と試験シーズンが需要を抑制へ
5月の中国鋼材市場は、労働節や端午節などの連休による一時的な落ち込みがあったものの、総じて堅調な需要を維持した。しかし、預金準備率と政策金利の引き下げといった政府の金融緩和策も、実体経済への直接的な刺激効果は限定的だった。
6月については、中高生を対象とした重要な全国試験「中考」と「高考」に加え、高温と雨季の到来が建設現場の稼働率を鈍らせる要因となる見込みである。こうした季節要因と社会的イベントが重なることから、建設用鋼材の消費は前月比で約3%減少すると予測されている。
金属フォーカス編集部コメント
中国国内の建設鋼材需要は、季節性と社会行事の影響を強く受けやすい構造にある。金融緩和策の限界が見られる一方で、インフラ投資や地方政府の財政出動のタイミング次第で再加速の可能性も残る。短期的には調整局面入りも、秋以降の建設再開や不動産支援策の動向が中期的な回復の鍵となる。
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STEEL