【ブルキナファソ】金鉱山の再稼働で2025年の産金量が4%増へ【金属フォーカス】

Soleil Resources International

ソレイユ社と豪WAF社が新規生産、政権の財源確保へ期待

西アフリカのブルキナファソで、2025年の金鉱山の産金量が前年比4%増の55.7トンに達する見通しとなった。同国エネルギー・鉱山・採石省の鉱山地質総局長アリスティード・ベレムソブゴ氏が明らかにした。これはモーリシャスのSoleil Resources International社によるYouga鉱山の再稼働と、オーストラリアのWest African Resources(WAF)社によるKiaka鉱山の新規生産開始によるものだ。

治安悪化の影響乗り越え、金輸出の再拡大へ

2022年の軍事クーデターで政権を握ったイブラヒム・トラオレ暫定大統領は、金を主要な外貨収入源と位置付けており、イスラム過激派との戦闘資金確保の柱として鉱業の回復に力を入れている。

治安悪化により一時操業停止していたYouga鉱山は2023年10月に再稼働。また、Kiaka鉱山は2025年第3四半期に初出鉱を予定しており、WAF社の最新情報を政府が追認する形となった。

ベレムソブゴ氏は小規模採掘(アーティザナル)についての見通しは明言を避けたが、2024年の同分野での生産は8.1トン、全国合計では61.5トンに達していた。

金価格上昇と新鉱業法が追い風

2023年には鉱業法の改正が実施され、価格高騰時の国家収入を増やすロイヤルティ制度が導入された。これにより、国際金価格の上昇に連動して国家財政の強化が期待される構造が整った。

同国は従来の西側諸国との関係を縮小し、ロシアとの関係強化を進めており、鉱業収入は地政学的にも重要な意味を持つようになっている。

【金属フォーカス編集部コメント】

ブルキナファソの金鉱山再活性化は、アフリカにおける金供給の底堅さを示す一方で、治安・政情リスクが依然として投資判断の大きなハードルとなっている。金価格が高止まりする中、同国のような「ハイリスク・ハイリターン」鉱区への関心は高まりつつあるが、持続可能な操業のためには国際的なセキュリティ支援やESGリスクの回避策が不可欠である。今後、ロシアとの関係深化が西側企業の投資戦略にどう影響するかも注視すべきポイントとなる。

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