欧州フェロチタン価格の推移とEAEUの廃材需要増加:航空宇宙産業が下支えする市場

Aircraft titanium scrap


EAEU(ユーラシア経済連合)によるチタン廃材の輸入関税撤廃を受け、欧州フェロチタン価格の推移に市場の注目が集まっています。現在、欧州市場におけるフェロチタン価格(Ti 70%)は1kgあたり5.85〜6.20ドルと横ばい傾向を維持しています。しかしながら、EAEU加盟国の買い手が欧州産チタンスクラップの調達を強化しており、原料確保の競争が激化しています。その結果、原料コストの下げ渋りが製品価格の強力な下値支持線として機能しています。


スクラップ争奪戦と底値形成のメカニズム

航空宇宙用途を中心に高品質なチタンスクラップの市中在庫は引き締まっています。加えて、EAEUバイヤーによる高値での買付けが欧州市場のスクラップ代替コストを引き上げています。こうした環境下で、合金メーカーは安値での販売を控える姿勢を強めています。その結果、夏季の需要停滞期においても欧州フェロチタン価格の推移は堅調さを保っています。


航空宇宙需要の強力な回復と長期的展望

さらに、エアバスをはじめとする航空機大手の受注拡大がチタン需要の長期的な追風となっています。エアバスは2026年上半期に886機もの商業機受注を記録し、受注残高を大きく積み増しました。エネルギーコスト高騰や地政学リスクなどの不安要素は依然として存在します。しかしながら、堅調な実需と原料高が交差する中で、欧州フェロチタン価格の推移は秋口以降の上昇圧力を秘めています。


金属フォーカス 編集部コメント

EAEUによる関税撤廃は、タイトな欧州チタンスクラップ市場に新たな需要ショックをもたらしています。航空宇宙産業の急速な回復に伴い、原料チタンの争奪戦は今後さらに激化する可能性が高いでしょう。フェロチタンメーカーは高コスト構造への耐性と、安定した原料調達ルートの確保を強く迫られています。

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