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| USA Rare Earth |
USAレアアース取引拡大は、2026年の希土類市場において西側サプライチェーン再構築を象徴する動きとして注目される。米USA Rare Earth(Nasdaq: USAR)は、ブラジルのレアアース生産企業Serra Verde Groupを約28億ドルで買収する計画を発表した。この取引は、中国依存からの脱却を目指す戦略的統合の一環として位置付けられる。
USAレアアース取引拡大とグローバル供給網統合
USAレアアース取引拡大は、現金3億ドルと新規発行株式1億2684万株(1株19.95ドル評価)を含む形で構成される。これによりSerra Verdeの評価額は28億ドルに達する。同社はブラジル・ゴイアス州でペラ・エマ鉱山を運営し、ラテンアメリカで唯一稼働するレアアース鉱山を保有する。
一方で、この買収は米国側の垂直統合戦略を加速させる。USAレアアース取引拡大は、オクラホマ州の磁石製造拠点、英国Less Common Metalsの取得、テキサス州Round Topプロジェクトと連携し、採掘から磁石製造までの一貫体制構築を目指す。
重希土類供給と戦略金属としての重要性拡大
USAレアアース取引拡大は、重希土類供給構造に大きな影響を与える。Serra Verdeはジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、イットリウムなどの重希土類を生産し、風力発電や防衛産業向け永久磁石の主要材料を供給する。
しかしながら、西側の多くの鉱山は軽希土類中心であり、供給バランスは依然として不均衡である。その結果、USAレアアース取引拡大は中国以外で数少ない重希土類供給能力を強化する重要な動きとなる。
ブラジル資源戦略と政府支援の強化
USAレアアース取引拡大は、ブラジルの資源戦略強化とも連動する。Serra Verdeは米国国際開発金融公社(DFC)から5.65億ドルの資金支援を受け、操業改善と生産拡張を進めている。さらに同鉱山は2027年までに中国以外の重希土類生産の50%以上を占める見通しを示している。
加えて、ブラジルはイオン吸着型粘土鉱床を保有し、低コストで採掘可能な構造を持つ。この特性がUSAレアアース取引拡大の経済性をさらに強化している。
金属フォーカス 編集部コメント
USAレアアース取引拡大は、希土類市場における地政学的再編を加速させる重要な転換点である。特に重希土類の供給集中度は依然として高く、米国主導の垂直統合戦略は価格安定化と供給安全保障の両面で影響を与える可能性が高い。今後はブラジル資源と北米加工能力の連携が、西側レアアース市場の競争力を左右する鍵となる。


