世界の銅製錬動向:SAVANT指数が示す生産拡大と地域格差の拡大

Copper output


世界の銅製錬動向は2026年3月に全体として上昇基調を示した。ロンドン拠点のEarth-iが算出するSAVANT Global Copper Monitoring Indexによると、世界の製錬活動は前月比で増加した。さらに世界全体の非稼働設備比率は0.4ポイント低下し11.7%となった。特に中国が2カ月連続で稼働率上昇を主導し、世界供給を押し上げた。その結果、グローバル市場は再び供給拡大局面へと移行した。


中国主導の生産拡大と世界供給の記録更新

世界の銅製錬動向は中国の能力拡張と稼働率改善によって明確な増加トレンドを示した。Earth-iは中国の非稼働能力が2月および3月に連続して低下したと報告している。この動きは世界全体の稼働能力を押し上げる主要因となった。その結果、世界のアクティブ製錬能力は1,073万トンに達し過去最高水準を更新した。この数値は前年同期比で77万5,000トン増加し、3年平均を149万トン上回る水準である。加えて、中国の継続的な製錬能力拡張は世界の供給構造そのものを強化する結果となった。


地域別の稼働格差拡大と供給不均衡

世界の銅製錬動向は地域ごとに異なる方向性を示し、供給格差の拡大が進行した。イランではSarchesmehおよびKhatoon Abadの2つの銅製錬所が相次いで停止し、一部は3月末から稼働を停止している。これらは定期メンテナンスの可能性もあるが、通常の季節性パターンとは異なる動きとされる。欧州では非稼働比率が2.1%上昇したものの、依然として6.2%と低水準を維持している。一方で北米は非稼働比率が10.3%上昇し32.3%に達し、南米の27.4%を上回った。これにより西半球の製錬活動の弱さがより明確になった。


二次銅拡大による供給構造の変化

世界の銅製錬動向は一次製錬だけでなく二次精錬市場の拡大によっても構造変化を見せている。国際銅研究グループ(ICSG)によると、2026年1月の世界二次銅生産量は44万5,000トンとなった。これは前年同月比で11.5%の増加であり、再生銅の存在感が一段と高まっていることを示している。この増加はリサイクル原料の供給拡大を意味し、一次鉱石依存度の相対的な低下につながる可能性がある。結果として、一次製錬と二次製錬のバランス再編が進行している。

世界の銅製錬動向は、中国主導の供給拡大と西半球の相対的な生産低下が同時進行する二極化構造へと移行している。同時に再生銅の拡大は、中長期的に供給安定性の重要な要素として位置づけられつつある。


金属フォーカス 編集部コメント

今回のデータは、中国の製錬能力拡張が世界供給の中核を形成している現状を明確に示している。一方で北米の高い非稼働比率は、コスト競争力や設備更新の遅れといった構造的課題を示唆する。今後は一次資源と二次資源を統合した需給分析が、銅市場分析の中心軸になると考えられる。

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