チリのリチウム開発、エラメ社との紛争で遅延リスク – Altoandinosプロジェクトの行方

Chile lithium


チリ国営鉱業会社ENAMIとフランスのエラメ(Eramet)は、チリ北部サラレス・アルトアンディノス(Salares Altoandinos)リチウム鉱床の開発を巡り法廷闘争に突入しました。ENAMIは鉱業大手リオティント(Rio Tinto)と30億ドル以上を投資し、年間約150万台の電気自動車用リチウムを生産可能な世界最大級プロジェクトを推進しています。しかし、エラメは2023年に鉱区権利を取得し、冷戦時代の法律に基づくリチウム生産特別許可(CEOL)を巡って権利行使を主張しています。


Altoandinosプロジェクトの法的課題と市場影響

エラメはリオティントの入札選定を巡り異議を申し立て、行政・司法上の行動でプロジェクトの進行を阻止しようとしています。ENAMIは「権利取得を盾に開発を妨害する行為」として法廷に提訴し、社内文書やメールの開示を求めています。両者の交渉が進まなければ、裁判や国際仲裁で数年単位の遅延が発生する可能性があります。リチウムに加え、エラメはホウ素・ヨウ素・カリウムなどの塩水資源抽出も検討しており、鉱業戦略が複雑化しています。


投資と政策への影響

AltoandinosはENAMI CEOイヴァン・ムリナーズ氏によれば、調査結果から「世界クラスのプロジェクト」と評価されています。チリ政府は2035年までに年間50万トンのリチウム生産倍増を目指し、リオティントやCodelcoとの戦略的提携を進めています。しかし、エラメとの法的対立は、就任間もないホセ・アントニオ・カスト大統領の鉱業振興政策に大きな影響を及ぼす可能性があります。経済鉱業省は投資確実性を重視し、早期生産達成に向けた調整を模索しています。


金属フォーカス 編集部コメント

Altoandinosプロジェクトの法的紛争は、チリのリチウム戦略と国際投資の両立にとって重大な課題です。紛争解決までの期間次第で、世界のEV市場に供給されるリチウム量や、チリ国内の鉱業投資環境に長期的影響を与える可能性があります。今後は特別許可制度CEOLの運用と権利管理の透明化が、戦略的資源開発の鍵となるでしょう。


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