米国・トルコの電気炉鋼材需要で再生鋼価格が急騰、2025年1月も値上がり見通し

Scrap Steel


米国の再生鋼市場は2024年末にかけて価格が急上昇しました。再生鋼価格の動向は、国内のEAF(電気炉)製鋼需要や輸出市場の動き、さらに冬季の天候要因によって影響を受けています。Pittsburgh拠点のMSA社が提供するRMDAS(Raw Material Data Aggregation Service)によると、2024年11月下旬から12月下旬まで、米国の主要製鋼所は基準等級のスクラップ鋼に対して1トンあたり14~24ドルの追加支払いを行いました。


冬季天候と国内需要が供給を圧迫

米国内の主要都市では、雪や氷によりスクラップ鋼の供給が制約されました。製造工場や建設・解体現場、独立系収集業者の作業は年末休暇により鈍化し、供給不足が顕著です。特にノーザンイースト州やニュージャージー州、ニューヨーク市では、12月末の豪雪がスクラップ収集と輸送に直接影響しました。この結果、No.1バシュリングやNo.1バンドル、No.1ファクトリーバンドルは1トンあたり14ドル上昇し、No.1 HMSは20ドル、No.2シュレッドスクラップは24ドルの値上がりとなりました。


海外市場の影響とトルコEAFの稼働増

米国の再生鋼輸出市場も価格上昇の要因です。トルコのEAF製鋼所は稼働率96%まで回復し、鉄筋マージン改善の恩恵を最大化しています。この高稼働は米国スクラップ輸出需要を押し上げ、1月の交渉ではさらに1トンあたり20ドルの価格上昇が予想されています。また、北欧でも同時期に冬季ストームが発生し、スクラップ収集と輸出の遅延が発生しました。

このような複数の要因が重なり、米国内の製鋼所やヤードでの1月の月次契約価格は1トンあたり20~40ドルの上昇も視野に入ります。加えて、輸出側ではトルコの急速な鋼材需要により、バルクスクラップの価格交渉力が高まる可能性があります。


金属フォーカス 編集部コメント

国内外のEAF製鋼稼働と冬季供給制約が重なり、再生鋼市場の価格上昇圧力は強まっています。投資家やメーカーは、短期的な価格変動に加え、トルコや北欧の輸出動向も注視すべきでしょう。今後のスクラップ需給は、冬季天候と海外需要の双方で大きく変動する可能性があります。

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