![]() |
| Critical Metals Tanbreez Project |
米国の希土類開発企業 Critical Metals(NASDAQ: CRML) は、グリーンランド南部に位置するグリーンランド希土類鉱山「タンブリーズ(Tanbreez)」プロジェクトの環境承認を取得し、採掘開始に向けて大きく前進しました。今回の承認は、ヒル地区の地球化学試験報告書と閉山計画に関するもので、スカンジナビア地域の環境コンサルティング大手 NIRAS が作成しました。
タンブリーズ鉱山の資源規模と市場価値
タンブリーズは、世界でも最大級の希土類鉱床の一つで、ヒル地区とフィヨルド地区の2つの鉱区から少なくとも4,500万トンの資源を保有しています。そのうち約3分の1は高性能用途に用いられる重希土類であり、クリーンエネルギーや防衛分野での需要が見込まれることから、同鉱山は同種鉱床として世界最大規模です。
今年初めに発表された予備経済評価(PEA)では、税引き前で割引率15%および12.5%の場合、純現在価値(NPV)が約28億~36億ドル、内部収益率(IRR)が180%と算定されました。初期生産量は年間約85,000トンの希土類酸化物を見込み、段階的なモジュール拡張により最終的に年間42万5,000トンまで増加させる計画です。
環境承認と開発スケジュール
Critical Metalsによると、残りの承認は鉱山および閉山計画の残部分と「特定活動計画」のみです。タンブリーズ資源は、全体の母岩47億トンのうち8 km × 5 kmの鉱体に局在しており、現在も銀行承認可能な実現可能性調査に向けて追加探査が進行中です。今回の環境承認取得により、同社は来年にも採掘を開始する見通しを立てています。
金属フォーカス 編集部コメント
グリーンランド希土類鉱山の進展は、北米・欧州における希土類供給の多様化に大きく寄与します。特に重希土類はクリーンエネルギーや防衛用途で不可欠であり、今後のプロジェクト拡大は世界的なサプライチェーン安定に直結すると考えられます。


