カッパー市場の未来:First Quantum CEOが語る地政学的課題と成長戦略

Kansanshi mine


銅市場の構造変化と鉱山開発の新たなトレンド

世界のエネルギー転換を牽引するは、需要拡大が確実視されています。しかし、その供給サイドには多くの課題が存在します。鉱山大手First Quantum Minerals(以下FQM)のトリスタン・パスカールCEOは、銅生産が直面する地政学的リスクと開発トレンドを詳細に語りました。同社の生産量は2035年までに年間150万トンに達する見込みです。これは、同社の主力鉱山であるザンビアのカンサンシ鉱山拡張が大きく貢献します。

FQMはパナマでの複雑な状況と対照的に、ザンビアでの事業拡大を成功させています。パスカールCEOは「投資家が必要とするのは安定性だ」と強調しました。ザンビア政府の安定した政策環境が、同国への大規模な鉱業投資を呼び込んだのです。一方で、チリやペルーなどの南米諸国では、脱塩プラントや新たな電力システムなど莫大なインフラ費用が必要となり、資本集約度が増しています。採掘グレードの低下もコスト増の要因です。


金属フォーカス 編集部コメント

銅はエネルギー転換に不可欠な金属であり、その安定供給は喫緊の課題です。First Quantum Mineralsがザンビアで成功を収めた事例は、政治的・経済的な安定性が鉱山開発における最重要要素であることを示唆しています。今後、世界的に銅不足が予測される中、企業は投資リスクを評価する上で、地政学的な視点を一層重視するでしょう。


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