銅、ケイ素、カリウムが追加:米国「重要鉱物リスト」改訂のインパクト

Revised list of major U.S. minerals


米国政府は、重要鉱物リストの改訂案を発表しました。今回の更新で、ケイ素カリウムが新たにリストに加わりました。この改訂は、2018年の初版以来最も大規模な見直しとなります。2020年エネルギー法に基づき3年ごとに行われるこの見直しは、2022年版に続くものです。新たに54の鉱物が含まれ、供給リスクと経済的影響に基づいた評価方法が導入されました。


新たな評価基準と追加された鉱物

米国地質調査所(USGS)は、今回の改訂で重要鉱物リストに新たな評価手法を導入しました。これにより、供給途絶が経済に与える影響を考慮し、リスクを「高」「高位」「中程度」の3段階に分類しました。例えば、銅とケイ素は、精製された形で供給が途絶した場合、深刻な経済的影響を引き起こす可能性があるため追加されました。また、主要な供給国、特にカナダからの貿易障壁リスクを考慮し、カリウムもリストに加わりました。テルルとヒ素は、国内生産の増加や主要生産国の見直しにより、リストから除外されました。


リスト改訂が示す米国の戦略的意図

今回の重要鉱物リスト改訂は、米国のサプライチェーン戦略を反映しています。USGSは、402の産業と1,200以上のシナリオを分析し、政策立案者にとってより現実的な枠組みを提供します。USGSは、この新しいアプローチが国内への戦略的投資や国際貿易関係の強化を通じて、個々のサプライチェーンのリスクを軽減するのに役立つと述べています。今回のリスト改訂案は、市場状況の変化と新たなデータが、ワシントンの供給脆弱性に対する見方をどのように再構築しているかを明確に示しています。30日間のパブリックコメント期間を経て、最終リストが公表されます。


金属フォーカス 編集部コメント

米国重要鉱物リストへの銅、ケイ素、カリウムの追加は、サプライチェーンの安全保障に対する米国の関心が、従来のレアアースや貴金属だけでなく、広範な産業基盤を支えるコモディティにも及んでいることを示唆しています。この動きは、今後、米国企業による国内生産や友好国からの調達を促進する政策に繋がり、グローバルな金属・鉱物市場の動向に大きな影響を与える可能性があります。


コメントを投稿