グリーン鉄鋼の国際競争が激化:インドの認証制度がもたらす影響とは?

India green steel


インド政府は「グリーン鉄鋼」の認証制度を本格化させました。すでに39社の鉄鋼生産者が認証を申請しています。この動きは、グローバルな鉄鋼業界に大きな影響を与えるでしょう。


インドが推進するグリーン鉄鋼の格付け制度

インドは排出量削減に向けた具体的な措置を進めています。2024年12月に、同国政府はグリーン鉄鋼の定義を発表しました。生産プロセスにおける二酸化炭素排出量に基づき、3段階の格付けを行います。圧延製品1トンあたり、CO2排出量が2.2トン未満であれば三つ星、1.6トン未満であれば五つ星と認定されます。

この格付け制度は、2026/2027会計年度から適用されます。国家二次鉄鋼技術研究所(NISST)が測定・報告・検証(MRV)の中心的機関です。認証を受けた鉄鋼は、政府の「グリーン公共調達政策」において優遇されることになります。これは、国内需要の大きな部分を占める政府調達において、環境性能の高い製品が優先されることを意味します。


成長市場インドでのグリーン鉄鋼の重要性

インドは世界第2位の鉄鋼生産国です。国内の鉄鋼消費量は、2030/2031年までに政府調達だけで6,700万〜7,300万トンに達する見込みです。この巨大な市場において、グリーン鉄鋼の認証は競争力を左右する重要な要素となります。インドの鉄鋼メーカーは、新たな基準に対応するため、生産プロセスの変革を迫られるでしょう。この動きは、今後、世界の鉄鋼市場全体に影響を及ぼす可能性があります。


金属フォーカス 編集部コメント

インドのグリーン鉄鋼認証制度は、鉄鋼の国際的な商流と価値基準を大きく変える可能性を秘めています。国内市場のグリーン化が、輸出市場における競争力強化に直結します。日本や欧州の鉄鋼メーカーも、インド市場へのアクセスを維持するために、同様の認証基準への対応が求められるかもしれません。


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